初めて受診するクリニック、いったいどんな感じだろうと不安を感じる方もいらっしゃると思います。
日頃どんな思いでお子さんやご家族とお話をさせていただいているかを簡単にご紹介したいと思います。
よかったらお子さんと一緒にお読みください。
お子さんが何かうまくいっていないことを抱えているとしても、好きこのんで大人を困らせようとしているお子さんはいないはず!と考えています。
まわりから見るとやる気がなく怠けているようでも、お子さんにはそんな状態になるしかない理由がきっとあると思うのです。
本当はうまくやりたい、本当はがんばりたい、というお子さんの気持ちを信じて応援したいと思っています。
精神医学的な診断名をつけたり伝えたりすること自体はそれほどお子さんの役に立たないと考えているので、診断は積極的にはお伝えしていません。
大事なことは「正確な診断」よりも「今後どうすればお子さんが過ごしやすくなるのか、お子さんとご家族と一緒に考えて取り組んでいくこと」だと思っています。
「受診したら診断がはっきりすると思ったのに」とがっかりさせてしまったら申し訳ありません。
診断名が唯一、お子さんの役に立つとしたら、診断書・意見書や障害者手帳を発行する場面かもしれません。お子さんにとって有益な支援につながるために診断書・意見書や手帳が必要な場合は、どうぞ遠慮なくお申し出ください。
診断書・意見書も手帳も、誰かに強制されて取らされるべきものではありません。
お子さん自身が必要だと感じて希望されるときには、積極的に活用していただきたいと思います。
(※ 精神の手帳の申請には、初診から6ヶ月以上経過している必要があります)
精神科領域のお薬(向精神薬)は症状を治すものではなく、一時的に和らげるもの(対症療法)です。また、当院にお越しくださるお子さんは年齢がお若いこともあり、向精神薬の処方にはあまり積極的ではありません。
もちろん、それでもお薬を使ったほうがお子さんにとってメリットがあると思われるときには処方します。
薬物療法に関する疑問や不安な点がありましたら、どうぞ率直にお話しください。
(※ ADHD治療薬「ビバンセ」は当院では処方できません)
自閉症スペクトラムやADHDなどのいわゆる神経発達障害については、これまで「生まれつき・生涯変わらない」と言われてきました。
しかし最近は、栄養面への介入やからだからのアプローチを通じて軽減できる部分もある、と考える専門家も増えてきています。
「生涯変わらない」と決めつけず、お子さんが自信を持って過ごせるようになるために今できることを、お子さんやご家族にご提案できたらと思っています。